㋺ 景統通宝、端慶通宝、洪順通宝
黎朝(Later Lê Dynasty)1428-1527
景統通宝(Cảnh Thống Thông Bảo)1498-1504
黎憲宗(Lê Hiến Tông)1498-1504の時代。
左は「統」の糸が3つの点タイプの標準形。
真中も「統」の糸は3つの点ですが充のノしが縦に長いタイプですな。
右は「統」の糸が連点で幺が縦に長いタイプ。
Barker #37.1 ⑦ Barker #37.3 ⑦ Barker #37.6 ⑦
左の物をよく見ると糸の点が4つ? 珍品じゃなくて、たぶんオデキでしょう。(爆)
けっこうシャープな作りで厚い物も多いですな。
端慶通宝(Đoan Khánh Thông Bảo)1505-1509
黎威穆(Lê Uy Mục)1505-1509の時代。
左は小字でしょうか? 重さ6.0gで標準タイプですな。
真中は厚肉大字。重さ9.0g。
右も厚肉大字。重さ9.4g。
Barker #38.2 ⑤ Barker #38.5 ③ Barker #38.5 ③
評価額が重さで決まるのなら真中と右は評価②かも?
6gの物は2枚分、9gの物は3枚分という事ですな。
3.5g程度の普通の小平銭と同じ価値で使用された訳じゃないと思いますが、いかがでしょう?
8gクラスの物はけっこうある様ですが、10gクラスの物を探すのは少々苦労します。
最重量は何グラムなんですかね?
洪順通宝(Hồng Thuận Thông Bảo)1510-1516
黎襄翼(Lê Tương Dực)1510-1516の時代。
左は大字のグループに入りますが中字くらいの物ですな。
右は連水小字。「洪」が上寄りです。
Barker #39.3 ⑦ Barker #39.8 ⑦
左は同じく連水小字。彫りの深い細縁のタイプです。「洪」が上に浮いている様に見えます。
真中は小字闊縁。連水です。「順」がずんぐり四角くまとまるタイプの物です。
右は小字。連水ではないタイプの「通宝」が小さい物ですな。
Barker #39.21 ⑤ Barker #39.13 ⑥ Barker #39.19 ⑥
下図は爪正隆手です。時代的に近いんでしょうかね?
Barker #39.17 ⑦
下図左は景統通宝で重さが6.1gあります。右は洪順通宝で5.9gあります。
別に特殊品ではなく、探せばけっこう見つかる普通品でしょう。
これを掲載した理由は端慶通宝との比較です。薄手の端慶通宝と同じ厚み、重さですな。
つまり端慶通宝だけが厚い訳じゃない、というお話をメモしておきたかったのです。(爆)
これでも一文銭なのか、はたまた折二だったりするのか?
真贋は永遠の謎。