㋺ 明徳通宝、大正通宝、広和通宝、永定通宝、光宝通宝
莫朝(Mạc Dynasty)1527-1592
莫登庸は黎朝を倒し莫朝を立てました。しかし徐々に黎朝が復活して来ます。
復活した黎朝とは後黎朝の事です。莫朝の最後は「鄭氏の後黎朝」に追いやられます。
明徳通宝〜広和通宝までは黎朝時代の形態を踏襲していますな?
書体も同じなので書家の人も同じ人なのか? 拉致したんでしょうか?
鋳造技術者とともに支配下に置かれたのでしょう。
しかし、永定通宝以降は非常にボロくなります。鋳造技術者が逃げたか亡くなったか?
明徳通宝(Minh Đức Thông Bảo)1527-1529
莫登庸(Mạc Đăng Dung)1527-1529の時代。 西山朝の明徳通宝は背に記号があります。
左は闊縁大様。
右は正様。
Barker #45.1 ① Barker #45.2 ②
大正通宝(Đại Chính Thông Bảo)1530-1540
莫登嬴(Mạc Đăng Doanh)1530-1540の時代。
左は広郭ですな。
真中、左のものと比べると若干小さいですが同じか? そしてボケ字。分類不能。(爆)
右は細縁で「大正」の文字が縦長です。
(2018.06.12 真中を追加。)
Barker #47.1 ⑥ Barker #47.1? ⑥ Barker #47.6 ⑥
広和通宝(Quảng Hòa Thông Bảo)1540-1546
莫福海(Mạc Phúc Hải)1540-1546の時代。
左は正字のタイプ。
右は「宝」が小さいタイプ。
Barker #48.1 ④ Barker #48.2 ④
(2016.12.04 右の銭を追加。)
下図は篆書の安法手です。莫朝の後、莫氏の時代以降になりますが、
他の安法手とは少し違う感じがします。短宝であり長冠の形が丸いです。
広郭で整った形です。もしかすると本当に莫氏の時代という可能性も無きにしも非ず?
右は普通の安法手の参考掲載。
Barker #48.3 ⑥ 普通の安法手
永定通宝(Vĩnh Định Thông Bảo)1547
莫福源(Mạc Phúc Nguyên)1546-1561の時代。莫宣宗とも称します。
「鄭氏の後黎朝」と紛争中です。
これは永定手ですな。ボロいです。
この銭の形態は後の莫氏になってからもカオバン省で作られます。開建通宝などですな。
Barker #49.1 ⑤ Barker #49.1 ⑤
光宝通宝(Quang Bảo Thông Bảo)1554-1561
こちらも莫福源(Mạc Phúc Nguyên)1546-1561の時代。
下図の物はどうでしょう? Barker先生の書籍に掲載されている物より太字で別版です。
Barker先生のサイトにも公開されており、これが本物なら★★★の評価でしょう。
市場でも見掛けませんし、けっこう似た雰囲気もありますが、う〜んいかがでしょう?
簡単には信じられませんな。(爆)
(Barker #51)不明
真贋は永遠の謎。