㋺ 安法手1 手類銭
安法手です。
安法元宝は莫氏の時代らしいですが、莫氏より前の時代にルーツを持つ物もある様です。
銭の形態や材質はみな安法元宝に似てますから、いずれも莫氏の時代かも知れません。
安法手は阮氏という説もあり、莫氏と阮氏の時代も重なります。ですが少々面倒ですな。
最大様の安法元宝を鋳造した莫氏の領地は明朝との国境であるカオバン省(Cao Bằng)。
阮氏の領地はクアンビン省(Quảng Bình)とか、クアンナム省(Quảng Nam)。
つまり莫氏の領地と阮氏の領地はずいぶんと距離が離れています。
その間には敵対勢力の後黎朝(鄭氏)がドーンと居座ってたから無理っぽい。(爆)
それをうまく説明できるネタがあるなら阮氏と言えるでしょうが、当方は判りません。
ベトナム南部から出土する安法手は後の阮朝以降に拡散した銭ではないでしょうか?
そんな謎の安法手ですが、
とても安価で入手し易い銭が多いです。でも最大様銭はそこそこ中価格の物があります。
厚みはペラペラで0.6mm程度。最大様銭の厚みは0.9mm位?
当方の所持品は代表的な物です。いずれも本物と思います。
安法元宝
左は最大様の物23.9mm。莫氏の所で登場しました。
真中は普通サイズ。
右は小様ですな。
Barker #52.2 ②
左は繊字。
右は大闊縁の中でも更に大闊縁。文字も縮小。
漢元聖宝
その他の地方政権の所で登場しました。
Barker #124.1 ⑧
漢元通宝
左は最大様の物23.6mm。広宝。
真中は普通サイズの狭宝。その他の地方政権の所で登場しました。
右は普通サイズの広宝。
Barker #123.1 ⑧
乾符元宝 李朝の歴代銭で登場しました。
左は普通サイズ。
真中は少し大き目の物22.4mm。
右は23.3mmあります。もしかして李朝の時代かも?
(2016.12.04 右を転載。) Barker #4.1 ①
広和通宝
歴代銭の広和通宝の所で登場しました。22.2mm。
右は普通の安法手。
Barker #48.3 ⑥
左は熈元通宝。オリジナルは阮補の時代に作られた様ですが、その縮小型ですな。
真中は景元通宝。これも阮補の時代ですが、完全な安法手に変身し切れていない物?
右は天元通宝で「元通」が景元通宝に似ています。「景」を削って「天」にした?
(2016.12.04 左と真中を転載。)
下図左も熈元通宝で直径22.9mm。最大様とは言えませんが大様とは言えるんかな?
これは書体が完全に安法手の雰囲気です。上図の熈元通宝とは別ルートという事ですな。
真中も熈元通宝ですが、よく見る普通のサイズです。
右は正法元宝。 その他の地方政権の所で登場しました。
(2016.12.04 左と真中を追加。) Barker #125.1 ⑧
治平元宝
左、22.8mm厚みも1.1mm。李朝の歴代銭で登場しました。
真中が李朝の物に近いかも? 直径22.7mm。
右は普通サイズ。
(Barker #8.2) Barker #8.2 ④
治平聖宝
左は中サイズですな。上の治平元宝と書体が似ています。
真中は普通。
右は文字がふやけています。
左、治平聖宝。23.1mmの最大様。
真中、これも治平聖宝。斜宝という分類らしいです。
右は咸平元宝。
(2020.05.14 3枚を追加。)
真贋は永遠の謎。 尨字の「尨」はチャウチャウ犬の毛がふさふさした様子。(爆)
紹豊手,称法手, 皇恩手
明宋手
爪正隆手, 別炉正隆手
結淳熈手
祥宋手、平南手
紹符手,乾元手,裕民手
萬劫手、異書景祐手
濶縁手、祥符手
建文手、祥聖手
永定手、 祥元手
天平手、繊字元豊手
繊字至道手、
亀宝至道手、
異国唐国手、
蝕字景徳手、ペン書手
安南寛永