㋺ 盛徳通宝、大安元宝
●偽造、非安南銭
偽造情報および安南銭と確定できない古銭情報です。
Barker先生のメインページを下にスクロールしていくと右側に古銭写真が並んでますな。
これらはClick to Zoom Image とありますから拡大可能です。紹慶通宝は拡大不能?
その縦に並んだ写真ですが、最下部には唐の開元通宝を改造した偽の開泰元宝があります。
下から2番目には横棒が1本はめ込まれた笑える皿延寧の写真がありますよ。(爆)
いくつかの文章も公開されています。 →Examples of Vietnamese Coin Forgeries
#6として陳公新宝、#9として盛徳通宝の記事を読む事が出来ますな。
陳公新宝の偽物
Barker先生の説明通りに「公」の字が下図みたいなタイプは即断で駄目品です。(爆)
偽大治手です。(爆)
盛徳通宝(Thịnh Đức Thông Bảo)の話
「盛徳」は後黎朝の1653-1658年に使われた元号です。永寿通宝と同じくらいの時代です。
盛徳通宝が本当に存在したかどうかは現時点では不明です。その割には見掛けるという話。
Barker先生の所持品は洪徳通宝を改造して写した偽物の様ですな。
下図の左の物ですが、これはBarker先生が掲載している拓本(2)に似ています。
その拓本は丁福保(Ding Fu Bao)の銭譜「歴代古銭図説」です。
数種の復刻本が出回っています。当方の所持本は台湾版。拓本を引用してみました。
昔から存在したファンタジーかも知れませんが、歴代銭かどうかは不明です。(爆)
そして多くの偽物は 歴代古銭図説から写して作られたと思われます。
出来具合と言いますか、細部の特徴が偽大治手に酷似している様に見えます。
上のタイプとは違って、下図の盛徳通宝は大祥か折二の様な感じですな。
Barker先生も調査しきれない珍品? いいや、どっかで見た様な雰囲気ですよ...?
偽物景興用宝に出来具合がそっくり?(爆)
大安元宝(Đại An Nguyên Bảo)の話
#10として大安元宝が取り上げられています。
大安元宝ですが、遼銭の「長安」タイプがオリジナルの銭ですな。
元々の遼銭の本物は1万円以上の価値があるため、遼銭を模した偽物も多く存在します。
そういう訳で多種多様な偽物大安元宝が出回っていて判定に困るという話ですな。
Barker先生の所持品は遼銭とも偽物とも、安南銭とも判定できず、不明品という事です。
当方の所持品である下図の銭はどうでしょう?
左は背の雰囲気が特徴的で判り易いですが、これは遼銭の砂型銭ですな。
真中と右の銭は広穿で「寳」の字が手類銭みたいに見えます。
そういう訳か何か、真中と右は牡国手と分類されてきた様です。
ところが、21世紀になってから中国では都市開発が盛んになり、
幻の古銭が出回る時期もありました。もう掘りつくしちゃった様ですが。(爆)
それで判った事は、真中の銭は遼銭という事です。同一版は遼の故地から出るのです。
同じ形状の「寳」は「 遼西夏金元四朝貨幣図録精選」にも3品の掲載があります。
真中の銭は遼銭で確定しました。
それでは右の銭はどうでしょう? 小型で薄く軽いです。 これはコピー銭、写しですな。
鋳写を繰り返して小型化した安法手みたいな雰囲気ですよ?
左は遼の砂型銭。 真中も遼銭。 右は安南の牡国手かも?
壮国通宝の文字は「壮」であり、遼の属国である東丹国の銭という事が判明しました。
安南銭の「牡国手」は慣用の用語ですから「牡」のままとします。
真贋は永遠の謎。