大治元宝、大治通宝、大定通宝

  陳朝(Trần Dynasty)1225-1400



大治元宝Đại Trị Nguyên Bảo1358-1369

前頁から続いて、陳裕宗(Trần Dụ Tông)1341-1369の時代。


左は連水大字で標準的なタイプ。文字形状などは書籍の写真と一致します。

  しかし現代的な鋳造の様な均質で整った雰囲気がありまして少々不安です。(爆)

  まあいいか。(爆)

真中は行書ですがBarker #20.11に完全一致している訳ではありません。珍品以上かも?

 「大」の字にループの箇所がありますから、結び大治じゃなくても小結くらいで。(爆)

右、旋読大字かな? 大の字左右が跳ねてますな。Barker先生は長尾大と分類。


Barker #20.1     Barker #20.11  以上?    Barker #20.16 

(2020.05.14 右を追加。)





大治通宝Đại Trị Thông Bảo1358-1369

同様に陳裕宗(Trần Dụ Tông)1341-1369の時代。

存在数が少な目の割には別版が非常に多いため銭譜などでもカバーしきれない様ですな。

見た事無いタイプをお持ちの場合でも本物かも知れませんよ。


左は小治。銭の大きさも小さいですな。

真中は円貝宝。以前掲載していた古銭がボロ過ぎなので画像を入れ替えしました。

右は正様かな? 昂宝かも?「大」の足も長いですな。


Barker #21.4      Barker #21.11     Barker #21.8 

(2020.05.14 真中を入れ替え。)




左は連点水でも大頭通でもありません。両方の中間的な物ですな。(爆)

真中は濶縁寄郭のタイプに似た別版です。闊「大」で「治」が崩し字です。

右は結び大治ですな。その中でも「大」の横棒右側が跳ねているタイプです。


Barker #21.16      Barker #21.28     Barker #21.34 





下図の左はBarker先生の書籍には非掲載。同一版は海外オークションで見ますが不明とします。

  若干ですが銅質が良過ぎる様な、現代の複製品みたいな雰囲気もあります。(爆)

下図の右は偽物でしょう。八分書の細縁? 中国の売り手が同一版をたくさん扱っています。

  とても特徴的で判り易い偽物ですな。側面仕上げのヤスリ痕と厚みも共通しています。


(Barker #21)不明     偽としか思えません。





下図の3枚も偽物でしょう。本物に似せて作ってある様ですが稚拙な感じです。

左は結び大治か繊字を真似た偽物?

真中は旋読小字を真似た偽?

右は蛸大治を真似た偽物じゃないの?


3枚とも偽にしか見えません。


偽物の陳公新宝も盛徳通宝金帯通宝や立元通宝も、功高泰岱という吉語銭も、

みんなみんな非常に似た制作です。小さ目で厚みが少々あって側面にヤスリ痕。

背の雰囲気や素地、錆の色も特徴がありますな。

これを命名「偽大治手」とします。当方の造語ですから広めちゃ駄目ですよ。(爆)






大定通宝Đại Định Thông Bảo1369-1370

楊日礼(Dương Nhật Lễ)1369-1370の時代。


明宋手に見えると言うご指摘を目にする事が多いですな。


Barker #22.1 






真贋は永遠の謎。

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