㋺ 寿昌元宝、寿昌通宝、寿隆通宝、寿隆元宝
下図の3枚は寿昌元宝の小平銭です。いずれも普通品ですが右の版は多いですな。
左と真中は闊寿 長昌。ここに掲げた物以外では、双跳元が少ないですな。
(右の物は状態が良い物に置き換え。2013.05.07)
長昌タイプはよく見掛けますが、闊寿のタイプは頻度的に少ない方かも知れません。
下図の左は元宝じゃなく「寿昌通宝」。これはめったに見ません。珍品です。
真中は寿隆通宝の背月、右は寿隆通宝 鍍金銭、寿隆通宝それ自体があまり見掛けません。
「寿昌」という元号ですが、「寿隆」も使われていたという謎がありますな。
その辺の事情についてですが、契丹語と中国語の両方を知らない当方が調査するのは困難。
下図の左は「寿昌元宝 折二」で非常に少ないと思います。
同一版が書籍「遼金銭幣」に掲載されています。同一版以外は怪しいと思います。
右の「寿昌元宝 折三」は、小平の普通品の次によく見かけますね。
めったに、あまり、非常に、どれが一番少ないのでしょう?
出土数が少ないので統計的カウントも通用しない世界と思います。つまり判らん。(爆)
下図は「寿昌通宝 折五」。左が銅銭、右が銀銭。まあ少ないです。
下図は例のコーヒー色の砂型の奴です。これも少な目ですよ。
左は「寿昌元宝 折五」。非常に特徴のある書体ですが、上に掲げた折二銭に似てます。
右は「寿昌元宝 折五 篆書」。
東丹国-興遼国の系統ですな。
そして出ました、小平の篆書銭。下図左が銅、右が白銅です。
統和元宝の 小平篆書銭と同様これも特殊です。上図の砂型折五銭と同じ様な形態。
これも東丹国、興遼国の鋳造技術を使ったと思われます。
大先生の記事はこちら→契丹篆书钱书法艺术赏析
大先生の記事に折五とあるのは誤りです。小平が正しい。
[2015.08.17追記ですが、右側の白銅品は複製品かも知れません。]
下図は元宝の折十銭。これは参考書「遼金銭幣」に掲載されてます。少ないですな。
下図の物は、「寿隆元宝 折十」のスペシャル版です。こいつの普通品は見かけませんな。
スペシャル折十銭は天顕通宝と大安元宝にもありました。「丹」の明朝体風な所もナニです。
ですが、先生方も所持されており当方は問題無いと思ってますな。
かなりの珍品でしょう。
下図は巨大銭です。應暦通宝から久しぶりの、ブ厚いシリーズだ。「寿」の横棒が省略?
入手は非常に難しいかも?
さて、分厚い巨大銭のシリーズですが、所持品含めネットで調べたものでは、
神冊通宝、会同通宝、天顕通宝、天禄通宝、応暦通宝、咸雍通宝、大康元宝、大安元宝、
そしてこの寿昌元宝、乾統元宝、天慶元宝、天朝万順(契丹文)、
年号記年銭(契丹文)各種、吉語銭(契丹文)各種、ウィグル文字銭1種、
が確認されています。けっこう種類だけは沢山ありますな。
真贋は永遠の謎。 巨大古銭くん、君はカタブツだな。豆腐の角にぶつかってみるかね。(爆)