保寧通宝、元宝


下図は保寧通宝の小平銭です。左と真中は同一版と思います。

右は砂型銭の別版で少ないですな。




上に掲載の3枚とは微妙に違う別版の小平銭も手に入りました。

上図の右側は確かに少ないタイプですが、下図の物は普通品の保寧通宝でしょうか?

まあ普通は普通ですが、保寧通宝それ自体が超珍品になりますので変な説明ですな。

下図の小平 保寧元宝と比較しますと「元」以外の文字が同一形状です。

(2013.09.06 追加)

保宁辽景宗耶律贤的第一个年号铸钱概述




下図の左が折三銭で背月。折三銭はたまに見ます。真中は銀銭。

右が「保寧元宝」の小平銭で、滅多に見掛けません。珍品です。


山人自藏保宁元通宝钱




下図の左は元宝の折五銭。背星。

右も折五ですが通宝で、コーヒー色の厚い砂型のシリーズ。渤海人の鋳造技術で作った銭か?


右の銭はあまり見掛けません。





下図は元宝 折五の銀銭。右側はスペシャルな奴で「背日月”kita-i”」ですな。

スペシャル銭についての見解は →千秋万歳4に記載。





下図は折五より少し大きいサイズの保寧通宝。全ての文字が楷書です。

この銭もあまり見掛けません。






そして下図の物が巨大銭。信じてもらうのは難しいレベルですな。(爆)

「保寧通宝 鍍金巨大銭 背陰刻契丹文」 当方はけっこうまじめに考えてます。

巨大銭は2種類のシリーズがある様です。

前ページの應暦通宝 巨大銭が該当する、厚いシリーズと、

こちらの薄いシリーズになります。こちらの厚みは4mm以上です。

特大型“保宁通宝”银钱


両方のラインナップは基本が銅銭で、両方とも鍍金品があります。

こちらの薄いシリーズは、銀製や、背の陰刻契丹文が無い銅銭もあります。

(咸雍通宝で紹介致します。)




陰刻契丹文ですが、

神冊通宝の陰刻と同様に、母銭に陰刻したと思われるため個体差はありません。

えぐれ具合とか鑑定の参考になりますな。


さて、背の契丹文を解読です。契丹小字です。

左の文字は元号「大安」の時に使う「安」=
 に非常に似ている字。


ai-ó-úr=??、 
g-úr=国、 
ur=永、 
ordu-ó-o-ón=安?。
先生方は「家国永安」との解釈ですが、よく見る「家」の字は
g-iaで違いますな?

家国永安という遼の吉語銭があります。国と永は頻度が高く他の銭にも出てきます。



研究家の先生方によりますと、祭祀用の銭との事です。

※追記 同シリーズで天禧通宝もある様です。→(リンク先ページ消滅。)

   という事は、上図の保寧通宝 巨大銭も西遼で鋳造した祭祀用の銭かも知れません。




真贋は永遠の謎。誤訳かどうかは検証してみれば判る事でしょう。

→次のページ



契丹文字の読みと解釈は全て他所からの引用です。