㋺ 天慶元宝、通宝
小平の天慶元宝は西夏にもあり書体も似た所がありますが、
遼は「慶」が上下に長く、西夏は「慶」が短いのでそこだけで判断出来ます。
下図の3枚はそれぞれ同一版の様な別版の様な?「天慶元宝 双跳元」です。
他の別版は、跳ねない普通の元、左跳元、そのくらいですかね。
山人自藏天庆元宝钱 天庆《辽恭宗耶律延禧的第二个年号》铸币慨况
下図は「天慶通宝」で滅多にお目にかかれません。そういう割には3枚集まりました。
3枚とも同一版の様です。右は銀銭です。
旋読じゃなくて対読の天慶通宝は安南銭ですな。
下図は「天慶元宝 折三」で小平の次に多く見かけます。右は銀銭で背月です。
下図左は「天慶元宝 折五 背星」ちょっとデカいですな。あまり見ません。
右は折五〜折十サイズの物。このサイズの遼銭にしては薄め。書籍「遼金銭幣」に掲載あり。
元と宝の間に鋳溜まりがありますな。鋳溜まりの無い同一版も存在します。
下図の物は折十銭です。直径がちょっと小さいですが厚みがあり重いです。少ないです。
下図はデカ過ぎで折十銭では無いかも知れません。
書籍「遼金銭幣」及び「遼西夏金元四朝貨幣図録精選」に掲載あり。
2010年頃まではたまに見掛けましたが2015年となった現在は見掛けなくなりました。
安いうちに入手しといて良かったかも?(爆)
さて、天慶の時代には、遼に支配されていた女真族が反乱を起こします。
女真族は遼から分離し、天慶五年(1115年)には金朝を建国します。
また翌年には遼の官僚であった渤海人の高永昌が、勝手に独立し、大渤海国を建国。
かつての興遼国再興を計ったんですな。ところが大渤海国は数ヶ月後に滅びました!
(大渤海国の銭も存在しますが入手できてません。)
さあ皆さん興味がわいたら調べましょう。
つまり、遼はここで滅びの兆候を示す訳ですな。
そんな時代の古銭ですた。
こんな物もあります→連銭
真贋は永遠の謎。