建炎通宝、元宝、重宝

ここからは南宋銭になります。先ずは導入話を少々。

南宋番銭とかお探しの貴方には残念なお話ですが、他の古銭サイトをご訪問下さい。

流通量ですが、南宋時代の埋蔵銭、出土銭を計数するとこういう結果だそうです。

唐以前=0.15%、唐,五代十国=6.50%、北宋=91.95%、南宋=1.39%、金=0.02%

(pdf文書「銭貨分析から探る流通」に掲載あり。検索で見つけて下さい。)

元代の埋蔵銭では南宋銭の割合が20%に増加しています。滅亡後に流通する訳ですな。



さて、本題に行きましょう。

下図の左から「建炎通宝 小字」「建炎通宝 楷書 折三 点建」たまに見ますな。

折三銭の方は「点建」じゃない物は安物です。





下図の左から「建炎重宝 折三」「建炎重宝 折三 合背」。これもたまに見ますな。





下図は建炎元宝です。

建炎元宝の小平は試鋳貨だったそうで、下図の真贋はともかく珍品で有名ですな。

笑い話ですが、100年くらい前まで日本で確認された建炎元宝は1枚しか無かった?

その1枚を持っていた江戸時代の古銭収集家の逸話とかありますな。

建炎元宝にはそういう面白い話が色々あります。皆さんも検索してみて下さい?


左と真中が「建炎元宝 隷書 小平」、右が「建炎元宝 篆書 折三」。


有名品で高額と来たらこりゃもう疑うしか無い?

まあそう言わずに、2枚並んでいると共通の特徴を抽出できると思いますから、

それをヒントに調べてみるのも良いのではないでしょうか。


問題は、右の「建炎元宝 篆書 折三」。これは資料に記載されていませんよ?

小平の建炎元宝よりも稀少だったりしたらエラい事ですよ。皆さんの良い資料にもなります。

見た感じは建炎重宝 折三に似ているので、重宝に紛れて売ってるかも知れませんよ。




真贋は永遠の謎。なんそう、そうなん?

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