金朝は南宋と同じ時代の国です。ツングース系で女真語を話し、女真文字もありました。

銭に関しては漢字の銭のみで、女真文字銭の存在は聞いた事がありません。


「日本貨幣カタログ」には 正隆元宝、大定通宝が掲載。この2枚は価格も安い方ですな。

詳しい人は 泰和通宝、重宝 とか 阜昌元宝、重宝あたりをお持ちかと存じます。


金朝の埋蔵銭、出土銭をカウントした結果は、

唐以前=1.66%、唐,五代十国=8.00%、北宋=90.36%、南宋=0.70%、金=0.77%

(pdf文書「銭貨分析から探る流通」に掲載あり。検索で見つけて下さい。)

その0.77%中の多くが「正隆、大定」という訳です。


正隆、大定以外で有名品は大銭の泰和重宝や阜昌重宝ですな。

上図左の正隆元宝は後期鋳造のボケボケ銭で、しかも長期間の流通により擦り減りました。



斉という国は金の傀儡国家で、この辺は「斉」で検索しても中々出てきません。

よって斉の皇帝の名前「劉豫」で調べてみて下さい。

その他の歴史に付きましては、Wikipedia等でお調べ下さいすんません。


金朝銭は書体にも特徴があります。金朝銭から隷書が使われなくなります。(稀に存在)

楷書の銭が基本の様で、楷書の多くは痩金体です。品種の3割程度が篆書です。

第6皇帝の章宗なんか完璧な痩金体マニアで痩金体を書き散らしました。

警告!ここから先は痩金体中毒の危険性があります!(爆)

また遼と北宋、南宋の鋳造技術を吸収し銭の作りが緻密で良好です。



じゃあ、どんなラインナップがあるのでしょう?

当方が調べた所によりますと、金朝の元号をほとんどカバーしている事が判りました。

そこで、下記に元号を並べてみました。(Wikipediaから頂戴しました。)


一部ご紹介します→㋺   不明→-


㋺ 収国(1115〜1116)

㋺ 天輔(1117〜1123)

㋺ 天会(1123〜1137)

㋺ 天眷(1138〜1140)

㋺ 皇統(1141〜1149)

- 天徳(1149〜1153)

㋺ 貞元(1153〜1156)

㋺ 正隆(1156〜1161)

㋺ 大定(1161〜1189)

㋺ 明昌(1190〜1196)

㋺ 承安(1196〜1200)

㋺ 泰和(1201〜1208)

- 大安(1209〜1211)→西夏銭の大安元宝で金朝銭説があります。

㋺ 崇慶(1212〜1213)

㋺ 至寧(1213)

㋺ 貞祐(1213〜1217)

㋺ 興定(1217〜1222)

㋺ 元光(1222〜1223)

㋺ 正大(1224〜1231)

㋺ 開興(1232)

㋺ 天興(1232〜1234)


斉の貨幣

㋺ 阜昌(1130〜1137)



収国から天会まで楷書の銭しか掲げておりませんが、篆書版も存在するらしいです。

そんな感じで当方も見た事の無い銭があります。中々少ないので簡単には集まりません。

国号銭と思われる「金国通宝」や、花銭らしき物も入れておきました。



陆续涌现的金代钱币【1】








真贋は永遠の謎。

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