㋺ 隆興通宝 小平銅銭   紹興元宝、通宝を少々

これも幻の珍品かもしれませんよ。


隆興元宝の方は小平を見ますが、隆興通宝の銅銭は、折二以外は見かけませんな。

資料には浙江省で金製のものが出土したと記載があります。


ただ、下図の物はもっぱら吉林省北部の松原市の一帯から出土しているとの事。

南宋銭にしては変な所から出ている訳です。文字の雰囲気も加味すると、キッタン?

そういった所も加えて、下図の古銭は謎なのです?



ご参考に、こちらは→紹興元宝、通宝ですがキッタンの銭です。





以下はおなじみの南宋銭です。



そして下図は「紹興通宝 折十 合背」。「中国古銭大集」には合背じゃない物が載ってます。

価格が10万元とありますよ? そりゃエラい事だ君どうするね。


裏返すと上下が逆さの合背です。

南宋珍泉《绍兴通宝折十合背》品赏




詳しい貴方ならば当然ご存知な話ですが、

日本貨幣カタログを見ていて何気に気付いた話を書きましょう。

紹興元宝と紹興通宝の値段が高いですな。ところが沢山出回っていますよ、折二銭が。

折二が好きなら良いでしょう。でも高価なのは小平銭ですよ! 折二は爆安です。(爆)

写真で見るだけでは折二も小平もそっくりで、直径が不明なら小平という確定は困難。

まあ具体的には下図の物が安価な折二銭。


(2013.09.30 3枚を追加)



似た様な物は他にもあります。

下図の左は紹興元宝の小平サイズですが、当時の私鋳銭で安価です。広穿薄肉ボケ書体。

真中は紹興通宝で、これは日本貨幣カタログ掲載と同等品です。まあ右の銭との比較用。

右は書体が違いますな。何でしょう? 中国古銭大集を見てみますと似た物が掲載されています。

  もしかして鉄母? 10000元とか書いてありますよ! 本物なら珍品確実!

  でも、よく見ますと「興」が稚拙な文字です。そんな目で見ればバカっぽい字。(爆)

  カタログの拓本を元に似せて作った贋作の鉄母ですな。錆も偽っぽいですし。(爆)


(2015.04.01 3枚を追加。)




もしかして貴方は南宋で遭難してませんか? うなずいた貴方は散財家ですな。(爆)



真贋は永遠の謎。「南宋で遭難」をお題にした小話でした。

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