㋺ 秘密結社、洪門の銭 (2013.12.01 このページを新設。)
下図の古銭は通貨ではありません。
清朝末に天地会などの結社が暗躍しましたが、その系統と言われています。
秘密の会合があった時に扉の前でチラッと見せたりして使うんでしょうか?
怪しいジェスチャーをしながら。(爆)
銭銘にキーワードが書かれています。
左が洪英通宝、右は洪門邦会で背が天下来帰。
歸は表示可能ですかね? 歸は帰とほぼ同じ意味?
下図は金蘭社用で、背は義薄雲天。
義薄雲天? 義の心は雲が少ない空の様に澄んでいる、という事でしょうか?
上図の物以外に「洪順堂令 背”三八廿一”」「義興公司 背”各路平安”」等がある様です。
これらがいつ鋳造されたかは不明ですが、清朝崩壊以降と言われています。
話によると中国本土を脱した残党がマレー半島南端に行き着き、
結社の暗号用として上図の古銭を作ったとの噂です。清朝銭の分類ではありませんな。
時代も新しいですし、マレーシアあるいはシンガポール?
という訳で「その他」のカテゴリーと致しました。
天地会について調べても詳細不明ですな。さすが秘密結社で謎だらけです。
天地会の設立も元は「漢留」という反政府団体の様ですが、諸説ありまして不明です。
一説には鄭成功が始祖とか? 日中ハーフの興味深い人物なので調べてみると面白いです。
その後は福建や広東で発展し南少林も関係してきます。「少林五祖」は映画になってますな。
中国の秘密結社には怪しげな中国拳法と謎の宗教が絡んでいる訳です。
2015.12.19→南派少林拳と神仙道教の系統ですな。念力とか超能力ですよ。(爆)
「洪順堂」は乾隆帝によって崩壊したと言われています。
アヘン戦争の頃に「三合会」が広東で形成され、これも起義に失敗したとの事。
でも実は現在も綿々と続いているって言うじゃありませんか?
ところで「天地会」「上海小刀会」「金蘭」「洪順堂」はどういう関係なんでしょう?
当方の調べた所によると下記の組織になっている様です。全総称が「洪門」です。
先の少林五祖が開祖となり5房の流派があるという話です。
下記表には「義興公司」が無いですが天地会の一組織らしいですな。
房名:堂号 :名称 :別名
長房:青蓮堂:鳳凰郡:天地会
二房:洪順堂:金蘭郡:三合会
三房:家後堂:蓮章郡:袍哥会
四房:参太堂:錦廂郡:哥老会
五房:宏化堂:徳興郡:小刀会
そして謎の教義書「海底」。
小説のネタになる様な話が沢山ありそうですが、深入りは禁物ですよ。(爆)
皆さんも身の危険を冒してまで追求しない様にしましょう。(爆)
下図は「洪門兄弟、五相扶持」銭。
こちらの古銭は中国本土の方で多く見つかっています。
五相とは少林五祖を示すんでしょうか? 兄弟と扶持の示すところは互助会という事?
(2020.05.14 追加。)
真贋は永遠の謎。シンガポールのお土産古銭とか? (爆)