清寧五年、継一千年?、仁一百年、◯◯八年?


下図の古銭は前ページと同様の契丹小字記年銭です。




au?=天、 
as-ar=眷。その2つを合わせて「清寧」を意味するとの事。
よって 
=清寧、 
tau=五、 
ai=年。

「清寧五年」です。







下図の古銭は契丹大字銭の様ですが、ちょっと難問です。

先生方の間で盛り上がっていた解釈は旋読で「天朝元年」。

契丹文“天朝元年”钱探秘

でも、天朝万順銭の解読から、下図古銭の右側の字は「千」であり、「朝」じゃ無い。

そして上側の字は大字の
=天 にしては一画欠けており、何か違う気もしてきました。

先生方には申し訳無いですが、下側が小字の「一」なら、上側も小字なんじゃないの?

という訳で契丹小字の
は「次の」とか「息子」とか「幼い」とか。

そこから全体の意味合いを考えると「次の」なら良さそうです。 次の→継 と致します。

よって、 
=継、 
am=一、 
=千、 
=年。

「継一千年」と出ました。


目出たい記念銭といった感じです。




下図の物は、上図の「継一千年」に関連すると思われる古銭です。契丹小字ですな。

gur-ó-ur-bun=仁、 
am=一、 
jau=百、 
ai=年。

これは間違いなく「仁一百年」ですよ。

「継一千年」の解釈を裏付ける、同じ系列の古銭ではないでしょうか?

(2013.09.06 追加)





下図の古銭は、今度こそ契丹大字銭です。

これは当方の情報不足なんですが、右の文字が判りません。

上側の字は
=大 で、他の字は年号といういわゆる記年銭ですから、元号名な訳です。
上と右の2字で「◯◯」、 
=八、 
=年。

つまりですな、「◯◯八年」です。(爆)

ただ、清寧 重煕 大康 は違う様です。違うと言う画像を下に載せときました。




下図は契丹大字多羅里本郎君墓誌らしい拾ってきた資料です。拾い物なので無保証で。

上の古銭と違うという訳です。だからといって「八年」以外は判らないんですけどね。


「大」で大康じゃなければ、大同、太平、大安、寿昌(大寿)のどれかかな?

8年という条件があるので、大同と寿昌は外れます。すると太平か大安。

当方の推測では、太平の時代に変な銭はあまり無さそうなので最有力は「大安」か?

珍《契丹文大康八年光背大钱》展赏





真贋は永遠の謎。

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契丹文字の読みと解釈は全て他所からの引用です。