天威通宝    (後遼)


後遼の銭です。耶律厮不で検索すれば少しは調べられるかも知れません。


下図は小平銭。真中が背星。右が銀銭。





下図は折三銭。右は背陰刻契丹文。

折三の背陰刻契丹文はやっぱりちょっと小さい。第二版で陰刻を入れたんでしょう。

たまに天成通宝として売ってますよ天成元宝は後唐です。天威通宝は後遼。





さて、背の契丹小字ですが、消えかかってますし先生方の写真でもよく判りません。

もう1枚とか入手して見てもやっぱり同じで判りません。

上? 
g-ia=家、  右? 
g-úr=国




真贋は永遠の謎。松鶴家千とせ ですわ。

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追記です。

消えかかった契丹小字ですが、脳内補間と希望的観測により赤線でなぞったのが下図です。

何か読める気がしてきました。(爆)


g-ia=家、 
g-úr=国、 
ei-ud=?、 
ordu-ó-o-ón=?



まずは
ei-ud から考えてみます。

当方には難問です。資料が少ないので事例が見当たりません。

発想を変えて、ei を漢語から借用と考え「永」の音写としてみる。

ud の方は複数形という記載を何かで見た様な...  永の複数形だから「永々」です。

(中国語では永はyongと読むみたいですが気にしないで下さい。)



ordu-ó-o-ón はどう解釈できるでしょう?
元号である大安の
ordu-ó-o-ón に似てます。
これは 保寧通宝の鍍金巨大銭で出まして、右上の
の所が
だったり違いがあります。
しかしですな、
も両方「ó」と読む説があるから一緒ですよ。


という訳でして「家国永々安」と読む事ができました。

まあ肩肘張らずにリラックスして「家国永安」。



安直な慣用句にまとめちゃって御免。

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契丹文字の読みと解釈は全て他所からの引用です。