㋺ 興遼重宝、興国重宝 (興遼)
左が「興遼重宝」、右が「興国重宝」。
折五のこの版しか無い様です。厚いです。そしてどれも赤黒い。
大先生に依ると銅色殷紅。殷紅は中国の伝統色です。
興遼はかつての渤海国を再興しようと渤海人が建てた国みたいですな。
渤海国に「大興」という元号があり「興」の字は渤海国に関係した文字かも知れません。
他に「中興」「建興」。 定安国の元号も「元興」が使用されたとの事です。
┌→定安(938-1003)→再興渤海(989-1018)→興遼(1029-1030)→大渤海(1116)。
渤海(698-926)
└→東丹国(926-947?) は遼の支配下でした。
その後は周辺国に取り込まれ消滅しました。
後渤海については判りません。
興遼と日本は交流がありませんでしたが、最初の渤海国と日本は交易がありまして、
興味深い歴史の逸話などもある様です。(藤原清河の帰国の話とか。)
調べてみては如何でしょう?
興遼はあっという間に消えた国なので流通貨幣か試鋳か判りません。
・2014.12.29追記
最近気づいたんですが、
興遼重宝の「遼」の文字、しんにゅうの筆跡が天授通宝の「通」に似ています。
「宝」の文字もちょっと似ていますな。同じ書家の文字でしょうか?
それによって天授通宝の謎が解けたかも知れません。
興遼重宝を調べても大先生の記事以外に見つかりません。この記事のみ?→壮兴元宝钱考
写真無しの記事は他にも見つかりますが、興国重宝の方は情報すら出てきません。
他の先生方も入手不可能なくらいの奇跡の超珍品なんでしょうか?
あるいは大先生の大ボケで、誰も突っ込めないハイレベルなギャグなんでしょうか?(爆)
真贋は永遠の謎。