乾亨通宝、元宝


南漢説の方が有名ですが →南漢の乾亨通宝 遼銭説を唱える研究家の方も多いです。

先生方によると、乾亨元年に鋳造したが不足し乾亨四年に対読版を作った...

という古文書の記録があるとの事です。

(※追記です。 判り易く書きますと、

  古文書が本物ならば遼銭の対読版が存在する筈です。ところが下図右の銭以外に

  対読の別版が出土していない様です。よって下図右の同一版は遼銭という事になります。

  よく似た別版は遼の故地以外で出たりする様です。     ←1行追記2015.09.23

  まあ結論は急がず可能性として考えましょう。)


下図は小平の通宝。左が旋読版。真中が旋読版の合背。右は対読版。


山人自藏乾亨元通宝钱



下図の左と真中が元宝の小平。これも南漢説がありましたがほぼ遼鋳ですな。

左が多いタイプで真中は少ないタイプ。

右は通宝の折三銭で、元宝の小平よりも多く見かけます。


乾亨辽景宗耶律贤的第二个年号铸币详述




下図の物は「乾亨元宝 折十」です。



补载大名誉品乾亨元宝折十银钱


ところで、乾亨の「乾」の字ですが、折十以外は「乹」。 乾乹両方ありますな。

まあ亨の字も色々ありますから、それが遼銭という物じゃないでしょうか?





真贋は永遠の謎。

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