天朝万順


下図の物は折五サイズで、左は普通品、右が合背。まあまあ有名なので偽物が多いです。

折五サイズで
が左側にある対読の物は少なく、当方未入手です。

鋳造年代は大契丹国建国から神冊元年の間頃との事です。

天朝万順銭は下図の折五銭が最も知られていますな。



書かれている字は契丹大字で逆回転の旋読で、

=天、
=朝、
=万、
=順。「天朝万順」で通ってますが、仮説ですな。
古銭の
は俗字で、契丹大字墓誌では漢字と同じ「万」と書かれているそうな。


さて、インターネットで検索すると下記のpdf文書が見つかると思います。

日本語pdf文書     契丹大字「天神千万」考

中国語pdf文書     “天朝万顺(岁)”臆解可以休矣


著者は愛新覚羅烏拉熙春 先生です。 その文書の結論では、「天神千万」である。

まあ従来の天朝万順という解釈と大きく異なる結果なので、興味のある方はご確認下さい。

契丹文字銭も数種類が写真で掲載されていますよ。

上に掲げた物ですと、読み順がアレなんで、旋読だとしまして、

=天、 
=神、 
=万、 
=千。

「天神万千」となります。


え〜と「天朝万順」というのは、あだ名という事で。(爆)



下図の物は背に陰刻契丹文のある版です。こちらは少ない。 下図の左が銅銭、右が銀銭。

背の左の字は「高」、右の上側の字は「五」これらは漢字を流用した契丹大字と思います。

それ以外は判りませんな。






下図の左は同様に陰刻契丹文の物。洗っても錆が固くて取れません。

右は面に巨星と月がありますな。背には「万」? 何の意味があるんかいな?(爆)


(2016.07.09 2枚を追加。)





下図は小さいサイズの物です。これらも少ない。

左は小平サイズで「万」が左側。

真中ですが入手時は黒茶色でした。しかしルーペでよく観察したら銀色の箇所がありまして、

  勇気を出して磨いちゃいました。(爆)

  そしたら中が銀色だったんですな。シルバー合金製? こりゃ儲け物かも?(爆)

右はブ厚い背唐草紋様。 


(2016.07.09 真中を追加。)

右の唐草紋様は絹の生産とからめて桑の実と思いましたが、どうでしょうか?

蔓っぽい絵柄なので葡萄ですか?     天朝万岁钱币集赏

すみませんが、「龍」であるという多くの方々のご意見に当方は賛同できませんな。







左は折二サイズ。

右は折三銭。これらもあまり見掛けません。






下図の物は鍍金大銭。めったに見ません。


天朝万岁契丹文特大钱鉴赏


ウホホ金ピカ。

ところで、比重から言って金無垢ではありませんが、中の材質が判らんです。

こんな物もあります →天朝万順 巨大銭



契丹文天朝万岁钱品种漫谈—兼展示山人自藏契丹文天朝万岁钱





真贋は永遠の謎。

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