㋺ 天徳通宝、重宝、元宝 [閩]
閩の天徳年間に鋳造した古銭です。 閩のクーデターによって第5代目の王が擁立、
それに反発した王延政が内戦により分離独立し王を名乗り、国号を殷としました。
その後に閩を復活させようとしましたが、結局は天徳3年に滅んでしまいました。
そんな時代の古銭です。
左から「天徳通宝」「天徳通宝 合背」。
下図の左は「天徳重宝 背”殷”」です。上記の臨時的な国号が入っている訳です。
下図の右側の小平は謎古銭です。資料に記載がありません。
天徳元宝は他の時代にもありますが上図右の「徳」は左の天徳重宝に似ています。
しかし「徳」以外の文字が北宋銭の天聖元宝に似ているという話もあります。
となると後遼の天徳元宝か? ちょっと判りませんが、いずれにしても珍品ですぞ。
真贋は永遠の謎。