㋺ 大暦元宝、建中通宝、咸通玄宝、乾封泉宝 [唐]
大暦元宝と建中通宝の2品種は新疆ウィグル自治区などで出土します。
安史の乱があった時に助っ人だった節度使が増長して勝手に作った地方貨という話です。
よって、首都の長安で大暦元宝と建中通宝を使用できたのかは疑問があります。
大暦元宝は別版だらけで本物と判断するのも難しいですな。
建中通宝は当初に掲載していた謎の銭が安南歴代銭で確定しましたので、
下図に普通品を掲載してみます。(ボロいので掲載してませんでしたが本物と思います。)
咸通玄宝は有名な珍品で偽物も多いです。
咸玄通宝でなく咸通玄宝という?まあ「咸通」は元号ですから。
書体が北魏の石碑の文字に似ているらしいです。未発行だったらしいので少ないとか?
左から「大暦元宝」「建中通宝」「咸通玄宝」。
(2014.03.08 真中の銭を追加)
下図の建中通宝はよく見る参考書に記載の物などとは違う版。
これは安南銭で陳朝の歴代銭でした。そう言われれば背の感じが安南ぽいかも?
唐の物よりも安南歴代銭の下図の品が評価額も高く稀少の様です。本物ならば、ですが。(爆)
安南銭に関しては当方は入門者レベルなので真贋判定が難しい。
と言いますか、やっぱりフェイク?(爆)
咸通玄宝には下図の折三サイズの銭が存在しています。カタログ等には非掲載。
保守的な研究家の方としてはファンタジーの類と断定でしょう。
近い時代の物としては唐国通宝の折三型銭がありまして、銭の作りは似ています。
という事は、若干の可能性が無きにしも非ず?
お笑いか稀少品の2択です。(爆)
安価ならお笑いでも良いでしょう。(爆)
んま〜つまりですな、「通」の字とか唐代の古銭に見えない訳です。
下図は乾封泉宝です。唐の乾封年間に鋳造された元号を冠する銭です。
新唐書食貨志によると、小平のこのサイズで当十というムチャな事をやったとの事。
そのため物価が暴騰し商人は乾封泉宝をボイコット、民衆からは不便という声が上がった。
よって発行は8ヶ月で終了し、乾封泉宝は回収され開元通宝に鋳直されたとの事です。
そういう訳で残ってないんですな。
二千円札の時も物価は上がりませんでしたが似た様な感じでしたね。
真贋は永遠の謎。
咸通玄宝、乾封泉宝