㋺ 唐国通宝、大唐通宝、大唐鎭庫、大斉通宝  [南唐]



下図は唐国通宝を3枚。

左が篆書の普通品。

真中は隷書大字 背巨星。これは有名な珍品で、若干高価ですな。

右の物は通常版の楷書(真書)。これは「日本貨幣カタログ」では3千〜8千円。


(2013.12.01 右の銭を追加。)



下図の左は篆書の寛縁。上図右の楷書版よりは少ないと思います。

真中は篆書の十文銭で、サイズが折三。中祥です。知名度もある珍品で中級クラスですな。

右は折五サイズの隷書。これは市場でたまに見掛ける事もありますがカタログ等は非掲載です。


(2013.12.01 左の銭を追加。)(2013.05.22 真中と右の銭を追加。)

真中の中祥よりも1〜2ミリ大きい「大祥」は高価です。

右の物は典型的な奇麗な青銅色をしてます。





下図の2枚は大唐通宝。

左は小平の中祥です。出回っている割に高いです。「日本貨幣カタログ」で2万〜5千円。

右は折三サイズ。このサイズは「中国古銭大集」にも載ってません。

(2013.12.01 左の銭を追加。)





下図は大唐鎭庫。

「大唐鎮庫」の方が検索に引っかかるかも知れません。


サイズが微妙に小さい気がしますが、調べると色んなタイプの大唐鎮庫が出てきまして、

結局はよく判りません。 下図の物は本物なら南唐鋳です。

(中国古銭大集の縮尺率が怪しい様なので、直径に関しましては判断保留と致します。)

同一版の銀製をお持ちの先生もいらっしゃる様で、それは直径も下図の物と同じ様です。





現代の中国政府はこんなのも作ってますよ。


※追記2014.05.10  金99.9% 直径18mm 1/10 oz.

          銀99.9% 直径40mm 1 oz.





さて、追記です。大斉通宝。 何で南唐なのに大斉通宝?

唐末の斉国と言えば880年頃の「黄巣の乱」じゃないですか? でも違うみたいです。

南唐の建国の頃の話です。937年建国ですな。

呉国には徐知誥という者が居ましたが、呉国の中で段々と頭角を現してきました。

徐知誥は呉国を最後に乗っ取って禅譲を受け、937年には国名を「斉国」としました。

後世の歴史学者はこの時点で南唐という国になったと判断してますな。

実際に国名を「唐」へ変更したのは939年の様です。複雑ですな。


ちょっと話が長かったですが、その2年間だけ鋳造されたというのが「大斉通宝」です。

よく知られた物は小平サイズですが、下図の物は折三くらいのサイズ。


(2013.05.22 追加。)

また出ましたな謎の折三サイズ。 これも青銅色ですな。






真贋は永遠の謎。 大唐ちんこ?

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